創立90周年記念式典

祝 創立90周年
成功のうちに幕。ご協力ご支援ありがとうございました。

日 時 2013年11月16日(土) 9時30分 ~
会 場 体育館
記念事業 第二多目的室整備
コメント 創立90周年記念式典を開催し,160名の来賓・招待者,800名有余の在校生と教職員が参加しました。
創立90周年記念事業実行委員長・紫西同窓会会長 挨拶

『ごあいさつ』

創立90周年記念事業実行委員長・紫西同窓会会長 中山 喜一郎
(第31回卒業:昭和30年)

 下館一高創立90周年を迎え心からお祝い申し上げ誠に同慶に存じます。
 本校は大正11年12月一町七ケ村の組合立甲種商業学校として発足し,翌12年4月に第一回の入学生を受け入れ,4月14日の授業開始を以って本校の創立記念日と定めました。爾来90年,本校は県西の雄として優秀な人材を世に送り出してきました。
 本校90年という節目を同窓会本部役員と記念事業実行委員長として,お祝い出来ますことをこの上ない光栄と感謝すると同時に責任を感ずる所です。ひと口に90年と云えどもその間数々の変遷があり,中でも昭和16年から20年の第二次世界大戦中に在籍した先輩諸兄のご苦労は筆舌に尽くし難きものがあったようです。本当に御苦労さまでした。戦時中の昭和19年に工業学校に変わり,昭和20年8月15日終戦にて県立中学校,そして昭和22年の学制改革により6,3,3,4制の茨城県立下館第一高等学校となり,商業科,普通科,工業科,「電気科・通信科」の全日制,昼・夜間の定時制高校として,全国的にも希に見る総合高等学校に生まれ変わりました。
 トランジスタラジオもプリント配線も無い昭和24,25年頃には,工業科の実習室で教師と生徒が共に汗水流しながらテレビジョンの組み立てに無我夢中で挑戦し,見事NHKの試験放映を受信することに成功しました。当時小学6年~中学1年生だった私も,6-8インチ位の丸型ブラウン管に映し出された映像を何度か見学に行った憶えがあります。その時の生徒さんでNHKの放送技術研究部へ就職された方がいらしたことからも,工業科のレベルは高度なものだったと確信致します。商業科では戦前からの士魂商才をモットーに厳しい実践的教育がなされ,卒業生には日本銀行をはじめ東京の一流銀行又商社へ就職された方がたくさん居りました。又教師陣の中には,全国商業高等学校で行われた教科書を編纂された優秀な先生も居りました。
 そういう中,昭和27年に下館一高商業科に入学した私達は,まだまだ戦後の物資不足の中,破れ帽子に高下駄履いて[ばんから風]を装い通学したものです。三年生の時には下駄ばき登校禁止令が出され,皆運動靴やバスケット靴等に変わっていきました。又普通科担当の数学教師の中には,「君達生徒諸君に数学の事で聞かれてそれに解答できなければ,直ちに教師を辞任する」と自信満々の先生も居りました。個性豊かな教師陣がたくさん居られました。
 そして下館一高90年の歩みの中で何と云っても特筆すべきは,昭和34年に茨城千葉両県の東関東地区の代表校として全国高等学校野球選手権甲子園大会に出場したことではないでしょうか。一回戦で仙台の東北高校と対戦し,15対1で惜敗しましたが,菊池節監督のもと選手一丸となって戦い抜いた姿は実に立派でした。昭和37年には工業科が分離独立して下館大田地区に県立下館工業高等学校として開校し,昭和47年には商業科が鬼怒商業高等学校の設立に伴い分離。以来全日制普通科と定時制夜間部の高等学校となり,平成23年3月に定時制最後の卒業生を送り出しました。現在は県西地区トップクラスの進学校として下館一高の名声は県下に於いて揺ぎ無い発展を遂げております。
 かつて1200名を超えた下館一高の生徒数は,現在840名です。したがって空き教室があり,90周年事業の一環としてその有効利用法を考えました。LL教室を整備して備品も整え,100名程が入れる特別教室とし,更なる進路指導の強化に取り組んで貰うよう,同窓会,学校,PTA同意のもと改修致しました。在校生諸君は,県西地区各中学校より選び抜かれたエリート集団であります。自信を持って努力すれば必ずや良い結果が待っています。
 現在の下館一高の校長・原篤範先生は,プロ野球巨人軍の原辰徳と,「あ」と「た」の一字違いです。どちらも道は違えども優秀な人材で,原校長先生は茨城県か教育界に於いてその名声知らぬ人無しと折り紙つきの先生です。校長はじめ優秀なる教師陣の中,ぜひ頑張ってください。
 下館一高は創立以来,弐萬数千名もの卒業生を世に送り出してきました。政財界や教育界をはじめ,あらゆる分野で全世界にその活躍の場を求め頑張っている同窓生に,在校生達も追いつけ追い越せの信念のもと,そして自分の夢の実現の為に,強靱な肉体と精神力を養って今後の人生に大いに役立てて下さい。先輩諸兄始め同窓生,学校の先生,PTAの皆様の今後の益々のご健勝とご活躍を祈念して筆を置きます。


学校長 挨拶

『ごあいさつ』

茨城県立下館第一高等学校長  原 篤範
(第48回卒業:昭和47年)

 紫西同窓会会員の皆様には,常日頃から本校の教育活動にご協力,ご支援を頂きまして誠にありがとうございます。お陰をもちまして,生徒諸君は滞りなく日々の学習,部活動に邁進することができています。あらためて感謝申し上げます。
 さて,平成25年11月16日,創立90周年記念式典が開催され,滞りなく終了しましたことをご報告いたします。当日はご多忙中にもかかわらず多くの方々にご参集いただき感謝申し上げます。紫西同窓会の皆様にも多数ご出席いただき,ご満足いただけるものとなったかどうか甚だ心許ないのですが,この場をおかりしてお礼申し上げます。
 90周年は生徒を主役として前面に出していこうと考えておりましたので,受付・案内,お茶席,ブラスバンド,壁新聞と,できうる限り生徒の顔を見ていただきました。後輩たちの様子はどうでしたでしょうか。自立した逞しい人間として先輩の後に続いてくれればと思っています。以下は拙い式辞ではありますが,校長としての思いです。ご一読下さい。
 今後とも,100周年に向けて,下館一高の日々の歩みにご声援いただければ幸いです。


『式 辞』

 厳しい冬の到来を忘れさせる暖かな日差しに包まれた今日の佳き日,多くの本校卒業生のご参集をいただくとともに,県議会議員設楽詠美子様,並びに鈴木聡様をはじめとする多数のご来賓の皆様,また,茨城県教育委員会教育次長柴原宏一様はじめ関係各位のご臨席を賜り,茨城県立下館第一高等学校創立90周年記念式典をかくも盛大に挙行できますことは,私ども職員,そして840名の在校生にとりまして,この上ない慶びでございます。
 これもひとえに,本日ご列席いただきました皆様の,本校教育活動への変わらぬご理解とご尽力の賜物と,深く感謝申し上げます。
 本校は,大正11年に下館商業学校として誕生して以来,幾多の変遷を経て,現在は全日制普通科のみを設置する高等学校となっております。昭和23年の学制改革時には,普通科,商業科,工業科,そして定時制課程をも擁する総合高校であったことを考えれば,まさに隔世の感がいたします。昭和37年に工業科が,47年には商業科が募集停止となり,平成23年には定時制が63年の永きに渡る歴史を閉じております。本校は地域の要望と期待に応えるかたちで,時代の変遷とともにその役割を変えながら90年の時を刻んで参りました。その間,25,804名の卒業生が,この地で学び,巣立ち,社会の有為な人材として各所で活躍を続けておられます。
 下館一高が,時代の求める人材を社会に送り出し,この県西の地で営々と築き上げてきた実績は,伝統となって在校生にも脈々と受け継がれておりますが,創立90周年の節目を迎えて,全日制普通科のみを有する高等学校となった今,過去の本校がそうであったように,次代に向けた新たな目標を持つべき時が来たのだと思っています。県下に進学校と呼ばれる高校はいくつもあって,本校でも出口としての進学を目指して生徒の指導に当たっております。しかし,生徒諸君にはそれだけではない何ものかを身に付けて本校を卒業してほしいと強く思っています。その何ものかを身に付けさせてくれる高校として,保護者や地域の方々から信頼されることが学校の特色であればと思います。
 高等学校の目標は自立する人間を育てることにあり,自立するとは岐路にあって正しいと信じる選択のできる自己をつくり上げることです。日々の教育活動を通してそのような人間を多く育てていくことができれば,学校としての存在意義を将来にわたって示していけると考えています。
 ○進路指導は,生徒一人一人に自己の適性を発見させるものとなっているか。
 ○生徒指導は,生活指導を含めて心の成長を助けるものとなっているか。
 ○特別活動は,生徒会活動,各種の行事或いは部活動を通して,自主性を育てる
  ことができているか。
 ○そして,生徒は,本校卒業時において,自分の前にある困難な課題に対して,
  逃げずに解決していこうとする意志と姿勢を示せる人間に成長しているか。
 常に自問自答を続けることで,自立を目指した本校の教育活動が「それだけではない何ものか」に繋がればよいと思っています。そして,卒業生が誇りに思える学校としていくことが,今後,創立100周年に向けてなすべき,在校生と職員の使命であると考えます。
 生徒諸君,君たちには,今後とも日々努力し成長する姿を見せて欲しい。本校卒業生の一人として大いに期待しております。
 最後に,永年に渡って本校を支えていただいた総ての方々に感謝申し上げるとともに,今後とも変わらぬご支援をお願いして,式辞といたします。


担当職員より

『100周年へ大きく飛躍を』

校内紫西同窓会 会長  髙野 良則

 今回,母校の90周年記念事業に微力ながら携わることが出来,光栄に思います。
 6年前本校に赴任し,卒業当時と変わっていない校舎や体育館を見て,非常に感慨深いものがありました。と同時に,学生時代からの歳月の経過におののいたものです。
 世間も時間とともに大きく変化し,少子化,大学全入時代といわれていますが,現在の高校生は以前よりも余裕がなくなっているように思えます。難関大学への入学は相変わらず困難であり,また自らの学習より与えられた学習をこなす方に時間がとられています。さらに放課後の塾。今は小学生だけでなく,高校生も塾へ通うのです。
 創立100周年へ向けて,単なる点取り教育に終始することなく,伝統ある公立の進学校としての役割を見失わないようにして行きたいと改めて感じております。



記念式典  舘野 弘

 80周年記念誌の際は,原稿執筆依頼者が40名と多く,生徒に関する内容が全くなかったので,今回90周年は生徒を主体に行うという趣旨に添って,現在の生徒活動のページを多く取り,写真も在校生中心に編集を行った。原稿依頼は30名に絞り,卒業生の中から各世代2名程とし,多彩な活動をしている人を「生きる」というテーマで生徒へのメッセージを原稿用紙5枚以内で執筆をして頂いた。10年間の歩みをもう少し織り込みたかったが,貴重な戦時中の一高生の記事や写真を写真館の鈴木さんの配慮で掲載できたことは記念誌の存在感が増し,100周年に繋がる物が出来たと思う。
 新聞広告に於いては新旧の校舎を対比した水彩画の上に在校生生徒40名の笑顔の写真を配置し,これまでの歩み,そして明日へ続く下館一高のイメージを表現できたのではないだろうか。
 受付・接待に於いては教師は控えにまわり生徒主体で行ったが,明るく生き生きと応対し,来賓からも好感を持たれた。



記念講演会 野澤 義男

学問の最先端にいらっしゃる谷島先生のお話に生徒は聞き入った。「同じ問題を毎回違った角度から検討し,何度も解いてみよ」「テストを目標に勉強するより,何か新しい学問をしたかった」「英語で論文を書かないと世界に発信できない」「世界の同世代の若者と競い合う視点を持て」「企業にも数理的発想のできる経営者が必要だ」「館一生の成績は全国平均だが,まだまだ伸びしろがある」等々生徒の胸に深く突き刺さるご講演だった。


開催風景
【90周年記念式典】

【90周年記念講演】


【茶道部による接待】


【祝賀会挨拶】【祝賀会の様子】
発行物
発行しました記念誌の表紙になります『記念式典のしおり』
siori.pdf